梅雨が開け、季節は夏に突入。厳しい暑さが続いており、バテ気味の人も多いのではないでしょうか。どこに行くのもうだる暑さで、日々のテンションも下がってしまいますね。
一方で、「夏の楽しみ」があることも事実。その1つが、花火大会です。派手に打ち上がる花火を見ながら酒を飲むことに、一種の快感を覚えている人も存在することでしょう。
中には、会社ぐるみで花火を観に行く職場もあるはず。この場合、若手社員が見物に適したスポットを確保するため、就業時間中に場所取りを命じられることがあるそうです。
このような「場所取り」行為は労働時間として認められると思われますが、異論もあるよう。実際のところ、どうなのでしょうか?
パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解を伺いました。
Q.会社から花火大会の場所取りを命じられ、実行した場合労働時間として認められる?
A.場所取りが「業務」と評価される場合には労働時間とみることができます。
「上司から言われて花火大会を観るための場所取りをするというのは、多くのビジネスパーソンに経験があることだと思います。
そのような“場所取りのための時間”が、労働基準法上の労働時間として扱われるかどうかについてですが、場所取りが会社の“業務”である評価される場合には、業務遂行に必要な時間として労働時間にあたるということができると思います。
例えば、花火大会の鑑賞会が、職場有志による自発的なものではなく、会社の行事として位置づけられている、出席が事実上強制されている(出席しなかった場合には人事考課において不利益を被る等)、会場までの交通費や現地での飲食費を会社が負担している、といったような事情がある場合には、“花火大会の鑑賞会への参加”や“鑑賞のための場所取り”を業務としてとらえることも可能でしょう。
そうすると、場所取りのために必要な時間は、労働時間にあたるということになるでしょう」
場所取りが「業務」と評価される場合には、労働時間にあたるということになるようです。自分は違うという場合は、弁護士に相談してみましょう。
*取材協力弁護士:櫻町直樹(パロス法律事務所。弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。ブログ「ネットイージス.com」)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
【画像】イメージです
*花火 / PIXTA(ピクスタ)
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