音信不通の不倫相手から慰謝料を取りたい女性必見!請求方法を弁護士が解説

音信不通の不倫相手へ慰謝料請求する方法

30代女性のAさんは妊娠中、夫に不倫が発覚。出産後、話し合いを重ねた結果、離婚となりました。やり直したいという気持ちもありましたが、相手が一緒に生活することを強行に望んでおり、元夫が出ていってしまったそうです。

不倫相手から慰謝料を取りたい

Aさんは2人の子供を抱えているため、当然元夫に慰謝料と養育費を請求します。元夫は派手に遊び歩くことができるほどの経済力を持っており、「カネで解決」とばかりに全ての要求に応じてきました。その対応には、満足しているそうです。

しかしAさんは、女として元夫とともに相手にも謝罪と慰謝料を要求したいそう。掛け合ってみると、「話し合いは全て弁護士を通してほしい」と告げられます。

元夫の相手と弁護士を通じて交渉に入りましたが、ある時期から連絡が取れなってしまいます。相手方の弁護士と不倫相手が音信不通になってしまったため、「もう降りた」というのです。全く連絡する手段を失ってしまったAさんに対し、元夫が「相手の分も自分が払う」と慰謝料の増額を打診され受け取りますが、納得のいかないものを感じています。

Aさんは諦めなければいけないのでしょうか? 高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。

 

諦めるしかない?

理崎弁護士:「女性の携帯電話の番号が分かれば、「弁護士会照会」(弁護士法23条の2)という方法により、携帯電話会社に照会をかければ、女性の自宅(契約上の住所)が判明する可能性があります。

女性の自宅が分かれば、当該住所を送達先として訴訟を提起することが可能です。もし女性が契約上の住所に住んでいない場合であっても、住民票を追っていくことにより、女性の現住所を調べることができます。

もっとも、現在の住所に住民票を異動していない場合にはそれ以上、女性の自宅を調査することはできません。ただ、女性の自宅が分からなくても、女性の勤務先が分かるようであれば勤務先を送達先として訴訟を提起することが可能です。

女性の勤務先すら分からない場合には、女性の生活圏内が分かるようであれば調査会社等に依頼して、女性の現住所を突き止めてもらうほかはありません」

実行するか否かは個人の判断ですが、不貞相手の女性の住所を突き止めることができれば、訴訟することは可能であるようです。

 

元夫から2人分貰っていたら受け取れない?

悔しい女性のイメージ

Aさんは既に元夫から一般的に十分とされる金額の慰謝料を受け取っており、弁護士に聞くと「これ以上の請求は難しい」と言われたそうです。なぜなのでしょう? 高島総合法律事務所の理崎智英弁護士にお聞きすると…。

理崎弁護士:「夫から相場程度の慰謝料をすでにもらっている場合、改めて不貞相手の女性から慰謝料を支払ってもらうことは難しいでしょう。

慰謝料請求する相手(夫と不貞相手)が二人いるからといって、慰謝料を二重にとれるということではなく、どちらか一方から十分な慰謝料の支払いを受けた場合、不貞行為によって配偶者が被った損害はすでに填補されたことになるので、他方に対してはもはや慰謝料請求をすることはできないということになります」

 

不倫は多くの人を不幸に

慰謝料についての考えや、相手との関係性、断絶した場合の方法など、お分かりいただけたでしょうか?

不倫は関わる人すべてを不幸にするもの。決して「金さえ払えばいい」というわけではありません。なるべくなら、しないようにしてもらいたいものです。

*取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

東京都港区虎ノ門一丁目11番7号 第二文成ビル9階

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