偽ロゴを用いたスマホケースを販売…どんな罪に?

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スターバックスの偽ロゴを用いたスマートフォンのケースを所持していた男女2人が逮捕されたとの報道がありました。この2人は販売目的で所持していた疑いがあり、容疑者のひとりは「去年から、副業としてスマホケースを売って、利益を得ていた」と容疑を認めているようです。

本件について、どのような違法性があるのか解説してみたいと思います。

 

■「商標権」を侵害する

今回の件は、スターバックスの商標権を侵害するため違法ということになります。

「商標」というのは、事業者が自分の商品等に自分のビジネスであることを明らかにするために付けるトレードマークのことで、商標が事業者の信用と密接な結び付きを証明し、事業者のビジネスの信用を守るために認められる権利を商標権といいます。

商標を利用している人は、自分の商標を登録することによって商標権を取得します。

商標権者は、他の人が似たような商標を使うなどして自分の商標権を侵害した場合、その使用中止を求めたり、損害賠償請求したりすることができます。

また、商標権侵害は犯罪になりますので、商標権者は、商標権を侵害した人を処罰してもらうこともできるわけです。

 

■どんな罰則になるのか

他人の商標が入った偽商品を販売目的で所持することも商標権の侵害として扱われていて(商標法37条2号)、そのようなことをした人について「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」(商標法78条の2)とされています。

他人の商標が入った偽商品の「所持」自体は商標権者の信用を喪失させる行為ではありませんが、販売された場合の影響が深刻なので販売を確実に防ぐ必要があるため、販売目的で所持しただけでも商標権の侵害として扱われています。

一方で、商標法37条2号は「譲渡、引渡し又は輸出のため」の所持に限って商標権の侵害と扱っていますので、ただの所持であれば商標法違反となりません。

ただし、「譲渡、引渡し又は輸出のため」かどうかは客観的事情からも判断されるため、所持人の事業内容や商品の数量によっては、「ただの所持」と言い張っても通用しません。

 

■本物だと思って購入したら損害賠償を求められる?

販売側が「本物だ」と言って販売した場合、購入者としては販売側の詐欺を理由に契約を取り消して代金の返還を求めたり、損害の賠償を請求することができます。

 

*著者:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

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冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

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