郵便や配送物は、「正しく届けられて当たり前」と考えている人がほとんどでしょう。しかし、人間が関わる以上、誤配送されることもあります。
他人宛の荷物が自分に届いた場合、速やかに業者に返さねばなりません。ところが、中には「これ自分も欲しかったんだよな。バレなければいいか」と、着服したくなってしまう人もいるはず。
仮にそのような行為に出た場合、どのような罪になるのでしょうか?
Q.誤送された荷物を返さずに着服……どのような罪になる?
A.遺失物横領罪になる可能性があります。
刑法253条と254条に以下のような条文があります。
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。(遺失物等横領)
第二百五十四条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。(準用)
他人の郵便物や荷物を自分のものにしてしまう、勝手に捨てるなどすることは、上記の法律に抵触する犯罪行為になります。
法律に詳しい人なら「わかっていること」ではあるのですが、故意でなく「忙しくて誤送された荷物を放置してしまう」ことはよくあることかもしれません。
このような場合、故意でないことを証明せねばなりませんが、「言い訳なのではないか」と取られることもあり、なかなか難しいようです。
不要な前科をつけない意味でも、誤送された荷物は速やかに業者に返すようにしましょう。
*記事監修弁護士:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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