結婚生活3年目のSさんは、専業主婦の妻と2人暮らし。幸せな生活を送っているようですが、ある悩みを抱えています。
それは、妻が一切家事をしないということ。不倫など不貞をしているわけではないようですが、家事をやる気がないそうです。
Sさんは1人暮らし時代が長く、家事を完璧にこなせるため、現在はすべてを引き受けていますが、仕事で疲れているときも家事を手伝ってくれないため、不満に思っており、離婚を考えています。
しかし、「家事をやらない」というだけで、離婚できるのかどうかわからず、悩んでいるそう。そのようなことは可能なのか。離婚問題に精通した高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。
■「家事をやらない」ことが理由で離婚できる?
「まず、家事は夫婦が協力して分担するものなので、妻だけが家事をしなければならないわけではありません。
夫だけが働いており、妻が専業主婦の場合には、必然的に妻がしなければならない家事の割合が大きくなるということです。
妻が家事を全くしない場合に、離婚事由として認められるかどうかですが、そのことによって夫婦関係が修復不可能な程度に至っていれば、”婚姻を継続し難い重大な事由”(民法770条1項5号)ありとして離婚事由として認められる可能性はあります。
具体的には、ゴミ出しをせずに家がゴミ屋敷状態になっているとか、十分な時間があるのに全く料理をしないとか、子どもの世話を全くしないといった状態が長期間かつ継続的であれば、婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性はあります」(理崎弁護士)
家事をしないことで夫婦関係が修復不可能になってしまった場合は、離婚が認められることもあるようです。夫と妻が家事を分担し、お互いの負担を軽くするような関係を構築したいものですね。
*取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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*yellow_rail / PIXTA(ピクスタ)
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