私的な会食を経費として計上…この場合どんな罪になる?

業務を遂行する上で必要な費用、「経費」。会社員の場合、出張の交通費や客先との接待費、文房具などの購入費用などが、それに該当します。

通常、経理担当者などが経費として適切であるかを判断するため、不正が疑われるようなことはできないと思いますが、中には私的な会食であるにもかかわらず、「接待」として経費で落とすケースがあるようです。

また、上手く経理担当の目を誤魔化そうと工作し、経費として金銭を受け取ることもあるのだとか。

このようなことを繰り返す人間については、それ相応の罪に問いたいところ。そのようなことは可能なのか。法律事務所あすかの冨本和男弁護士にお伺いしました。

 

Q.私用な支出を経費で会社に請求…罪に問うことはできますか?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

A.詐欺罪が成立する可能性があります

「結論からいうと、詐欺罪になります。詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させ、その占有を取得した場合に成立します。相手を“だます”という手段によって、相手を“誤信”させ、相手に財物を“交付”させた場合に成立するわけです。

その会社員は、会社からお金をだまし取ろうと思って、会社の経理担当者に対し、私用で使ったお金であり本来会社に請求できないにもかかわらず、接待であったと装って経費の精算を請求し、経理担当者に経費の精算だと誤信させ、お金を支払わせており、詐欺罪が成立するわけです」(冨本弁護士)

 

経費のごまかしは詐欺罪。絶対に行わないでください。

 

*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

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