勝手に出て行った嫁と子供…婚姻費用や養育費の支払いは義務?弁護士に聞いてみた。

ある日突然、置き手紙を残して嫁と子供が出て行った…。子供には会わせてくれない。にも関わらず養育費は請求してくる。そんな状況になったら、「なんて理不尽な!」と思ってしまいますよね。

 

ですが、婚姻関係が継続しているのであれば、婚姻費用支払義務が生じます。最低限の生活費は支払わなければいけません。これは義務なのです。夫婦は、戸籍に同じ身分を有している以上、たとえ一方的に出て行ったとしても、同等程度の生活を送る権利(送らせてあげる義務)があるのです。

 

離婚した場合、婚姻費用ではなく、養育費として支払いの義務が生じます。

もちろん、相手の不倫が原因だったとしても関係ありません。実は養育費の支払いを命じる民法の規律は、直接的にはありません。実は、民法760条の『婚姻費用分担義務』、民法752条に定める『夫婦間の扶助義務』、民法766条に定める『子の監護費用の支払い義務』、これらが根拠になりえます。

養育費は親が子供に支払うものであり、親は子供を扶養する義務があると理解されています。生活が苦しかろうと、再婚して子供ができようと、支払わなければならないのです。

 

もちろん、だからと言って、親権を持つ側がいくら請求していいというわけではありません。両者の収入や、子供の人数、年齢などを考慮し養育費の目安を算出した算定表があり、それを参考として養育費を決めるのが一般的です。

参考:算定表(裁判所HP)

もし、養育費のことでもめてしまったら調停を申し立てるのが通常でしょう。それでもまとまらない場合は弁護士に相談してみてください。どうしてもまとまらないのであれば、家庭裁判所の調停ではなく、審判という、裁判に似た手続きを用いることもありえます。

 

養育費は、自身の子供に支払うものであり、元配偶者に支払うものではありません。

どんなに元配偶者が憎くても、子供のためだと思って支払うのが賢明でしょう。

 

*弁護士監修/ 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)

 

*取材・執筆/アシロ編集部

 

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