恋人や配偶者のスマートフォンをこっそり覗いたことがあるという方も意外と多いのではないでしょうか?
覗いた結果、トラブルに発展しなければいいですが、場合によっては浮気や不倫の証拠を見つけてしまって……なんてことも可能性としてはあります。
そんなときにカッとなってしまってスマートフォンを壊してしまったり、もしくは証拠を見つけられた側が証拠を隠ぺいするためにスマートフォンを投げて壊したり……なんてこともあるようです。
そこで今回は、スマートフォンを壊された場合に損害賠償できるのかについて解説してみたいと思います。
■もちろん請求可能
これは、もちろん損害賠償請求できるというのが結論になります。相手の財産であるスマホを、違法に壊して、財産権を侵害するわけですから、財産的な損害を塡補してもらうというのは、当然のことです。
その時に、「相手が浮気という行為をしていたのを発見したのだから、怒って壊しても問題ない!」などと主張する方が時々おられますが、流石に無理な主張ですね。むしろ、見付けた方はスマホを取り上げて、情報をバックアップするなど証拠固めに走った方が利口です。
■実際に請求する人がいない理由
ただ、このようなスマホを壊すという問題がよくあるにもかかわらず、実際問題として損害賠償請求事件に発展することは、殆どありません。携帯会社で保険に入っているため、保険金でカバーできることがその最大の理由でしょう。
スマホに残っている色んな履歴は、例えその内容が真実でなくても、誤解を受けやすいものです。万が一に備え、保険に入ることをオススメします。
*この記事は2015年2月に掲載されたものを再編集しています。
*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)
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*AH86 / PIXTA(ピクスタ)
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