就活解禁…「学歴フィルター」を設けて学生を選別するのは違法?

2018年新卒の方の就職活動が始まりましたね。

3月の時点では、情報の解禁となるため説明会が中心のようですが、6月からは選考開始ということで、実際に面接をする機会が増えることでしょう。

就職活動をしていると様々な不安があるかと思います。その不安の中に挙げられることの1つとして「学歴フィルター」があるかと思います。

企業からすれば、高学歴な人は優秀な可能性が高いため採用したくなる、という気持ちも理解は出来ますが、学歴フィルターを用いて学生を選別する行為に違法性はないのでしょうか? 解説していきたいと思います。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

■「不当な差別」か「営業の自由」か

性別での就職差別を禁止する男女雇用機会均等法や、年齢制限を禁止する雇用対策法などの各種規制がありますから、学歴フィルターも違法ではないかと考えることも出来ます。

学生から見れば、不当な差別で憲法14条に違反すると言えるかも知れません。

逆に企業から見れば、優秀な人材を探す一つの指標として学歴フィルターを使っているだけということでしょう。憲法の条文を持ち出すなら、憲法22条の営業の自由の範囲内と言うことになると思います。

 

■有名な「三菱樹脂事件」とは

最高裁判例では、有名な三菱樹脂事件があります。

三菱樹脂事件とは、学生運動をしていたのにしていないと嘘をついて採用試験に受かった人が後に学生運動をしていたことが判明してしまい、採用を取り消され、その取り消しが憲法に違反するとして訴えた事件です。

地方裁判所と高等裁判所は学生の思想信条の自由を重視して学生を勝たせましたが、最高裁は、企業の営業の自由(採用の自由も含まれます)を尊重し、企業を勝たせました。

この判例では、企業の採用の自由を広く認めていますので、学歴フィルターも憲法に反することにはなりません。

ちなみに、この事件では、後に学生と企業が和解し、正式に入社することになり、その学生は子会社の社長にまでなりました。

 

■現状、違法ではない

今後、何らかの立法がなされ、学歴フィルターが禁止されるかもしれませんが、今のところ禁止する法律もないので、違法ではありません。

就職活動は、子供のころから始まっているとも言われます。つまり、良い小学校、中学校、高校と進ませるのは、良い大学に入るためだと言うことです。

そのような生き方も一つの生き方だと思いますが、下位校出身者や高卒でも起業したり、転職などによって成功している方も大勢います。学歴フィルターや大手の企業ばかりを気にしすぎずに、自分に合った人生を歩むべきだと思います。

 

*この記事は2015年3月に掲載されたものを再編集しています。

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

【画像】イメージです

*EKAKI / PIXTA(ピクスタ)

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星 正秀 ほしまさひで 弁護士

星法律事務所

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