離婚後、子どもと会わせてもらえない…こんなときはどうすればいい?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

離婚が成立して、子どもの親権が母親にある場合、その子どもと会わせてもらえないことで悩み、時にはうつ状態になってしまう父親が意外に多いことがマスコミで取り上げられるほど目立ってきました。

どういう事情から会わせてもらえないのかは、ケースによって異なりますが、離婚後に別れた子どもと会う権利は、親権を持たない側に認められないのでしょうか。

親権問題に詳しい三宅坂総合法律事務所の伊東亜矢子弁護士にお訊きします。

 

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■離婚後も面会交流の権利は認められている

「面会交流について、現在の裁判例の多くがその権利性を認めており、平成24年4月に民法766条が改正され、協議離婚に当たっては“父又は母と子との面会及びその他の交流”について協議で定める旨が盛り込まれました。この場合、“子の利益を最も優先して考慮しなければならない”とされています(民法766条1)」(伊東弁護士)

民法の改定で、離婚後も別れた親との面会やなんらかの交流が行われることを話し合って決めてから別れる、ということが法律上明確化されたわけです。

注意したいのは「協議離婚」という、いわば夫婦で話し合って円満に離婚するケースについて定めていることです。離婚裁判となると、子どもとの面会についても争うことになります。

しかし、協議離婚の場合でも、面会の権利があるとしても、離婚後は会わせてくれない場合もあります。権利を主張しても会わせてもらえないのでは、訴えざるを得ません。それでは、なんのために協議離婚をしたのか、子どもを思って穏便に済ませたはずが、結局裁判になってしまうのでは意味がありません。

そこで、せめて協議離婚の際は、夫婦間での合意内容を公正証書として残しておくことです。公正役場の公証人が作成するので、法的にも有効な書類です。とはいえ、証書を根拠に強制執行可能なのは金銭債権で、あくまで公式に約束したということを記した書類に過ぎません。

 

■子どもの面会ルールを立てても通らない場合がある

公正証書作成時に、子どもとの面会について記すとしても、「1年の半分は親権のない親の側で過ごす」などとなると、これは問題があります。未成年の子どもにとって、1年の半分は、いつもと違う家から学校に通うことになるわけで、とても現実的とは思えません。

伊東弁護士によると、別居している夫婦が娘の親権と離婚を争った訴訟で、妻側が「面会は月一回程度」と提示したところ、夫側は「隔週末や年末など年間100日を確保する」と提示しました。親権も争う裁判だったため、家裁は「子どもが親の愛情で健全に育つには夫を親権者にするのが相当」と判断しました。

しかし、子どもにとって年のうち100日も別れた側の親元へ通うのは、実生活を考えるとかなりの負担となります。この訴訟は東京高等裁判所まで持ち越され、家裁の判断を覆し、母親を親権者としました。現在は父親が上告の意思を示しているとのことです。

「高裁は、年100日という父親側の提案では子どもの体への負担のほか、学校や友人との交流にも支障が生じることなどを指摘したということです。もっとも、父親側の“年100日”の提案はあくまで計画であり、具体的な実施に当たっては子の意思を最大限に優先して行えばよいとも言え、上記の判断には疑問もないわけではありません」(伊東弁護士)

最も、この父親は、これまで1年に1回程度しか合わせてもらえず、様々な法的手段に訴えてきた経緯があり、いい結果が出なかったためにかなり多数回のルールを提案したようです。

 

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■反抗期で可愛くなくなると親権を手放す親も

こうして、せっかく勝ち取った親権も、子どもが小さくて無邪気な頃を過ぎると、思春期になり、離婚した親に反抗的になってきます。時には面会もしたくない、などといい出すこともあります。

筆者の知るもっとも非道いケースでは、思春期の親子喧嘩で、親権を持つ親が「もう一緒に暮らせないから、親子の縁を切る」と別れた側と子どもに宣言、子どもを放置して再婚した夫に内緒で恋人を作って騒動を繰り返し、食事もろくに与えていなかったため、家庭裁判所はすんなり、親権の移動を認めたというものです。

この場合、縁を切った親は子どもと面会できるのでしょうか?

「実親と子どもが“縁を切る”という手続について、6歳未満(養親となる者が6歳未満のうちから監護していた場合は8歳未満)の子について民法817条の2の特別養子縁組を行った場合にのみ“養子と実方の父母”との親族関係が切れることとなり、13歳以上15歳以下では“縁を切る”ことはできません。

いずれにせよ、親が自ら“縁を切る”と言い出しているような状況で、当該親と面会交流させることが“子の利益を最も優先して”適切とは言い難く、仮に当該親が“やっぱり会わせろ”と言い出したとしても、これを正当な権利行使として保護すべきかどうかは慎重に判断されなければならないと考えます」(伊東弁護士)

このケースでは子どもがすでに15歳以上であり、「一生会いたくない」と主張しており、面会はかなっていません。家庭裁判所での調停でも、自分の非を認めたものの、縁を切る気持ちは変わらなかったそうです。

今、子どもと会えないと悩んでいても、このように可愛い盛りを過ぎて相手が親権を放り出す場合もあるのです。決してあきらめずに追い続けましょう。

 

*記事監修弁護士:伊東亜矢子三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)

*取材・文:梅田勝司(千葉県出身。10年以上に渡った業界新聞、男性誌の編集を経て独立。以後、フリーのライター・編集者として活躍中。コンテンツ全般、IT系、社会情勢など、興味の赴く対象ならなんでも本の作成、ライティングを行う。)

【画像】イメージです

*マハロ / PIXTA(ピクスタ)

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