男性にとって風俗店は一種の癒やしを得ることのできる場所のようですが、勤務する女性にとってはお金を稼ぐ“職場”。当然ながら、出会いなどは、まったく求めていないことがほとんどです。
しかしなかには客と勤務者が恋愛関係に発展することがあり、それを期待する男性もいるよう。通常店で連絡先を交換することは禁止行為とされていますが、目をかいくぐり、自分の連絡先を渡す、女性から聞き出すなどしているようです。
もちろんそれも自由ではあるのですが、ときにトラブルに発展することもあるとか…。
■禁止行為で金銭を要求されることも
通常連絡先を要求された場合、「禁止行為だから」と断るのが通例。しかし、あまりにしつこい場合、禁止行為として店員に通報されることになります。
店は事前に禁止行為をしないよう客に同意をとりますから、違反があれば適切な措置を受けることに。場合によっては罰金と称して高額な金銭を要求されることもあるようです。
このような場合、禁止行為を破ったことが事実であれば、金銭を支払わなければならないと思いがち。しかし、実際には、本当に店側の主張通りお金を支払わねばならないのでしょうか?
■金銭を支払う必要がある?
前提としてお店などが「罰金」と称するものについては、支払う必要はありません。「罰金」とは刑事罰で、国家が私人に科すものであり、個人が個人に請求できるものではないからです。
次に「損害賠償」と称して請求された場合ですが、これはケースバイケースとなります。連絡先を交換することによって「精神的苦痛を受けた」「店が損害を被った」などと主張してくるものと思われますが、これについてはその正当性について吟味が必要です。
■すぐに支払わず弁護士へ相談を
本来連絡先交換など禁止事項として列挙されている行為はしないことが望ましいのですが、仮に行ってしまい金銭を要求された場合は、その場ですぐに金銭を支払わず、専門知識を持つ弁護士に相談することが有効手段になります。
警察に相談したとしても民事不介入とされる可能性が高く、あまり意味をなしません。風俗店でのトラブルは口外しづらいことから一人で悩む人も多いと聞きます。
そのようなときこそ、トラブルに強い弁護士の力を借りてみましょう。
*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
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