先日ある掲示板に、「同僚の給料を知ってしまったのだが、資格も知識も自分より下なのに倍だった。納得いかない」という書き込みがありました。
職場では同僚の給料はほとんど知らされておらず、同じ仕事をしているのに格差がついていることは多々あります。仮に書き込みのような事象が発生した場合、減額を求めることはできないのでしょうか?
法律事務所あすかの冨本和男弁護士に見解をお伺いしました。
Q.能力の低い同僚の給料が自分より倍…減額を迫れないの?
A.難しいものと思われます
「使用者には人事権があります。人事権は,労働者の採用,配置,異動,人事考課,昇進,昇格,降格,休職,解雇についての使用者の決定権限のことをいいます。
人事権の行使も,労働契約・就業規則・労働協約に違反してはいけない・法律に違反してはいけない・濫用してはいけない、といった制限があります。しかし、そうした違反のない限り使用者がどうするかは基本的に自由です。
同僚の人事権の行使についても,基本的には使用者が自由に決められることですので、難しいと考えるわけです」冨本弁護士)
納得いかない気持ちはわかりますが、使用者には人事権があり、法律違反でない限り給与などは自由に決めることができるため、雇われる側はどうにもならないようです。
このような会社に勤めている場合は、我慢か転職のどちらかを選ぶしかありませんね。
*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)