企業では社員が仕事のできないほどの重大な病に冒された場合、「休職」扱いとし回復を待つことがあります。
大企業などでは普通に取り入れられていることですが、中小企業では「休職」を認めず、「体が悪いなら辞めろ」と言われることもあるそうです。
労働者としては、病気になりたくてなったわけではないだけに「休職扱いにしてよ」と思うことでしょう。このように企業が休職を認めないということは許されるのでしょうか?
ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士にお伺いしました。
■「休職」の拒否は許される?
「休職とは法律上の概念ではなく、従業員について労務に従事させることが不能又は不適当な事由が生じた場合に、使用者がその従業員に対し労働契約関係したそのものは維持させながら労務への従事を免除する事又は禁止すること、とされています。
病気の場合には労務従事を免除してもらう、ということになりますが、基本的には就業規則の定めに従うことになるか、会社の裁量、ということになります。
意味としては、労務に従事できない以上、解雇の一定期間の猶予、という意味を持ちます。その意味はでは「休職規定」の存在が重要です」(森川弁護士)
休職は就業規則の定めに従うものであり、法律上の概念ではないため、就業規則に規定がない場合は、当然ながら休職はできないことになるようです。
*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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*プラナ / PIXTA(ピクスタ)
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