仕事でミスを連発し契約社員に「降格」…こんなのってあり?

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野球などのプロスポーツは結果が出ない場合、減俸や契約解除が当たり前の世界。個人事業主として球団と契約しているわけですから、当然といえば当然です。

会社員も業績不振や素行不良による減俸などは稀にありますが、解雇や契約解除というケースは、正社員ならばよほどのことがない限りはないと言っていいでしょう。

ところが最近は「正社員だったけど能力が低いので契約社員に降格」ということがあると聞きます。そのようなことは「理不尽」に感じますし、法律違反であるようにも思えます。

このようなことは許されるのか。ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士にお伺いしました。

 

■能力不足による降格は認められる?

社員がミスを連発するなどして懲戒相当と判断された場合、降格は認められるのでしょうか?

「懲戒処分としての降格人事ということで、そもそも、就業規則上の根拠が必要ですが、その上で、そのミスの内容、頻度により、権利の濫用となるかによります。

労働契約法15条“労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となる”」(森川弁護士)

懲戒相当と判断されるような場合以外は、雇用形態の変更は認められないようです。

 

■業績不振・素行不良の場合は?

次に「会社の業績が悪いから」あるいは「素行不良であるから」と降格されるのはどうでしょうか?

「会社の業務不振を理由としての降格は、権利の濫用にあたると思われます。当該労働者に帰因する行為の内容・程度に応じてであり、業務不振が当該社員の行為との因果関係の立証、“素行不良”の程度が問題になると思います。“業務不振”“素行不良”の立証は、そもそも難しいと思われます。

問題が見受けられる場合、その為に、軽度の注意、勧告等を行い、その積み重ねの上で、降格等の処分にせざるをえないものと思います」(森川弁護士)

 

業績不振による降格人事は、やはり許されない可能性が高いようです。また、素行不良については立証が難しく、不可能に近いとのこと。

仮に会社から不当な理由で雇用形態を変更されたなどの人事を受けた場合は、泣き寝入りせず弁護士に相談しましょう。

 

*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

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加畑 貴義 かばた たかよし 弁護士

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渡部 孝至 わたなべ たかし 弁護士

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