お盆休みに仕事が休みだった人も多いかと思いますが、完全に会社を休みに出来ないために普段通り仕事をしている部のメンバーがいたり、クライアントがお休みではなかったなどの理由で、社用の携帯電話に着信やメールの通知があった人もいるかと思います。
休みのうちは仕事のことを忘れて心身ともにリラックスしたい人が多いかと思いますが、休みの日に仕事の電話に対応したり、メールの返事をすることは休暇とみなされるのでしょうか?
休暇の定義と併せて解説してみたいと思います。
■休暇の定義について
「休暇」とは、労働者に本来労働する義務がありながら、労働者の請求によってこの義務を免除される日をいいます。
元々は労働者に本来労働する義務がある日であった点で、労働者が労働契約上労働する義務を負わない日である「休日」と区別されます。
「休暇」として、労働基準法上、年次有給休暇(同法39条)と生理日の休暇(同法第68条)が定められています。
年次有給休暇とは、労働者に有給で与えられる休暇のことです。年休ともいいます。年次有給休暇は、労働者の健康・プライベート生活を確保するために認められる休暇です。
■休暇中に電話やメールの対応をしたら休暇とはみなされない?
「休暇」について、労働者は、労働する義務を負っておりません。
労働者が労働する義務を負っていない以上、労働者が自らの意思で電話やメールに対応したからといって「休暇」でなくなるわけではありません。
■休暇中でも電話やメールの対応を強制する会社に違法性はある?
「休暇」について、労働者は労働する義務を負っていないわけですから、会社としては電話やメールの対応を強制することはできません。
したがって、強制によって現実に労働させた結果「休暇」と評価できない程度に至ったような場合、休暇を与えたことにならず、別途休暇を与えなければ、「有給休暇を与えなければならない。」とする労働基準法39条に違反すると考えます。
*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)
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