今年のゴールデンウィークは土曜日が祝日となってしまった影響から、例年に比べると「大型連休」というには少し寂しい長さになっています。
ただ、5月の1日、2日に有給休暇を取得すれば連休期間を大きく伸ばすことができるため、この2日間に有給休暇を利用しようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかしながら、この2日間に有給休暇を申請したところ、「皆に休まれると仕事が回らなくなる」という理由で有給休暇の申請を却下されてしまった方もいるのではないでしょうか。
こういった理由で有給休暇の申請が却下されるのは仕方ないことなのでしょうか?
Q.GW前後の有給休暇申請は却下されても仕方ない?
A.会社には有給休暇の「時季変更権」があるためある程度は仕方ないと言えますが、単に「忙しいから」という理由だけで却下することは許されません。
上記にもある通り、会社は従業員の有給休暇申請に対して「時季変更権」という権利を有しているため、有給休暇の申請が却下されたからといって即違法になる訳ではありません。
しかし、一方で会社は従業員が希望に沿う形で有給休暇を利用できるように配慮する義務があります。よって、この配慮を行わずに時季変更権を一方的に行使することはできません。
具体的には、
・有給休暇の申請を行った従業員の代わりは本当にいないのか(その日その人に休まれると本当に仕事が回らないのか)
・代わりを探す時間的余裕があったかどうか(従業員からの有給休暇申請がどのタイミングでなされたのか)
などを総合的に考慮して、配慮が適切になされたかを判断することになります。ただ、この判断というのは非常に難しい(合法・違法の線引きが難しい)ため、確実に有給休暇を利用するためには、直前に申請するのではなく時間的余裕を持って上司や同僚などと交渉しながら計画的に申請を行うといいでしょう。
*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。
【画像】イメージです
*monzenmachi / PIXTA(ピクスタ)
【関連記事】