世界的な普及を見せているスマートフォン。総務省が発表した平成28年度「主な情報通信機器の普及状況(世帯)」によると、同年のスマホ普及率は7割を超えていることがわかっています。
考えてみれば、手のひらサイズの端末にパソコンとほぼ変わらぬ機能が搭載され、あらゆる情報が簡単に引き出せるわけですから、人々が夢中になるのも無理はありません。
そんなスマートフォンの唯一の泣きどころが、電池消費量の早さ。長く使えば使うほどバッテリーが消耗するため、長年使っている端末であれば、あっという間に電池が切れてしまいます。
そのため、新幹線やカフェなどで、スマホを充電している様子をよく目にします。コンセントの管理者が使用を許可していれば問題ないのですが、店が許可していないと思われるそれで充電している様子を見かけることもあります。
そのような行為は違法ではないのでしょうか?
Q.許可されていないコンセントでスマホを充電する行為は違法?
A.違法です。窃盗罪になる可能性があります。
刑法245条に、「電気は財物としてみなす」と明記されています。したがって、許可なくスマートフォンを充電することは、物品や金銭を盗むことと同じ扱いとなり、窃盗罪が適用されます。
“充電する側”にとっては、「大した電力ではないし、いいじゃないか」と思うかもしれません。
しかし、コンセントの管理者にしてみれば、勝手に充電されることで電気料金を請求されますし、その光景を目にした人が次々に充電すれば、莫大な金額になってしまいます。
ですから、無断充電を目撃した管理者が、“窃盗”として電気を盗んだ者を訴える可能性は十分に考えられます。軽い気持ちで勝手にコンセントに充電器を差し込むと、あとで後悔することになります。
仮にどうしても充電したい場合は、店員に「このコンセントで充電しても良いですか?」と尋ねるようにしましょう。そして、断られた場合は、充電を諦めてください。
電池切れが頻繁に発生する場合は、バッテリーの交換やモバイルバッテリーを購入し、持ち歩くようにしましょう。
*取材協力弁護士:河野晃 (水田法律事務所。兵庫県姫路市にて活動をしており、弁護士生活6年目を迎える。敷居の低い気軽に相談できる弁護士を目指している。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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