就業規則と雇用契約書の内容が違う…優先されるのはどっち?

企業で働いている皆さんは、雇い入れ時に会社と雇用契約書を交わしているはずです。

なお、本来であれば入社手続きの一環として「就業規則」の内容についても説明されるべきですが、中には自社の就業規則なんて見たことないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、改めて就業規則を見てみると、雇用契約書で決められている自分の労働条件と就業規則に書かれている労働条件が全然違うとしたら、結局のところどちらの内容が優先されることになるのでしょうか?

Q.就業規則と雇用契約書、どちらの内容が優先される?

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A.原則として就業規則ですが、雇用契約書の内容の方が労働者に有利な場合は、雇用契約書の内容が優先されます。

労働契約法という法律で、就業規則で定める労働条件と異なる雇用契約はその部分について「無効」になると定められています。

そのため、例えば就業規則では労働時間が7時間半と定められているのに、雇用契約書では労働時間が8時間となっている場合、この部分が無効となり法律上の労働時間は就業規則に書かれている通りの「7時間半」が正しいということになります。

なお、法律では個別の雇用契約で就業規則より有利な内容とすることは禁じていないため、例えば逆に就業規則上で定める労働時間が8時間で自分の雇用契約書の労働時間が7時間半の場合、7時間半が正しい労働時間になります。

よって、就業規則と雇用契約書の内容が異なる場合、どちらか自分にとって有利な方が適用されるのだ、と考えていただいてOKです。

 

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

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