2月より導入の「プレミアムフライデー」…弁護士が考えるメリット・デメリットとは

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

経済産業省や経済団体が中心に話を進めていた、「プレミアムフライデー」がついに今月より開始されようとしています。

このプレミアムフライデーですが、言葉は聞いたことがあっても、実際にどういった内容なのか、またプレミアムフライデーのメリットやデメリットまでは知らない方も多いのではないでしょうか?

ですので、今回はプレミアムフライデーの概要やメリット、デメリットについて解説したいと思います。

 

■1.「プレミアムフライデー」とは?

「プレミアムフライデー」とは、月末の金曜日はみんな3時で定時退社しましょうという運動を国全体でやろうという取り組みのことです。

「プレミアムフライデー」は、こうした運動により、①労働者がプライベートを充実させることができるのではないか、②みんなが賛同して協力し一体感が生まれ好ましいのではないか、③消費を刺激し商品の購入・サービスの利用につながりデフレを改善できるのではないかといった意図の元に進められている取り組みです。

「プレミアムフライデー」は、平成29年2月24日の金曜日から、全国各地で、業種にとらわれずに実施されるそうです。

「プレミアムフライデー」を全国的・継続的に推し進めていくために、「プレミアムフライデー推進協議会」という組織が作られ、無償提供の統一ロゴマークも作られました。

「プレミアムフライデー推進協議会」は、プレミアムフライデーを国民運動として一体感をもって推進していくための実施方針等の検討、普及啓発活動等を実施する母体として官民連携体制で設立された協議会です。

 

■2.プレミアムフライデーのメリット

労働者にしてみれば、土日休日に連続する自分の自由になる時間ができ、その分プライベートを充実させることができるといったメリットが考えられます。

事業者や国の立場からみれば、思惑通りになることが前提ですが、労働者が自由になれば消費が増え景気拡大につながる、さらにはデフレ脱却につながる、事業者や国民の間に一体感が生まれるといったメリットが考えられます。

 

■3.プレミアムフライデーのデメリット

まずは強制力がなく「プレミアムフライデー」を実施してもらえるかどうかは労働者を雇っている企業次第だということです。

企業からすれば、月末の多忙な時期に「プレミアムフライデー」を実施することができない場合もあると思います。

労働者にしてみても、金曜日に早く帰宅できたとしても、仕事量が変わるわけではありませんから、他の日にしわ寄せがあるだけです。

また、労働者に自由な時間ができても使えるお金がなければ消費が増えるとも思えません。

「プレミアムフライデー」で集客を狙う企業で働く労働者にしてみれば、「プレミアムフライデー」に働かされるわけですから、かえって負担となり、見合うだけの報酬がもらえるのでなければ不公平と感じることもあるのではと思います。

「プレミアムフライデー」を推進するために広報活動等でどれだけの経費がかかるのかわかりませんが、それほど経費がかからないのであえば試しにやってみるのはよいと思います。

 

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

 

【画像】イメージです

*jazzman / PIXTA(ピクスタ)

【関連記事】

店長や課長は残業代が出ない!? 法的に管理職と扱われるのはどこから?

会社が社内行事の参加を強制…法的に問題はないの?

「いつでもトラブルに対応できるようにしとけよ」…こんな時に残業代はもらえる?

土日出勤でも、代休が与えられれば、割増賃金は払う必要はないの?

「同一労働同一賃金」の方針を政府が発表…正社員じゃなくてもボーナスもらえるの?

 

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

法律事務所あすか

東京都千代田区霞が関3‐3‐1 尚友会館4階

コメント

コメント