「モンハン」でチート行為をした大学生に有罪判決が…ところでどんな法律に触れる?

昨年10月に、オンラインゲームの「モンスターハンターフロンティアG」のプログラムを改変するチート行為を代行したということで、奈良県の通信大学3年生の男性が逮捕されていましたが、この判決公判が1月17日にあり、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡されています。

チート行為とは、ゲーム内通貨やレアアイテムを不正に増やしたり、キャラクターのレベルを急激に上げるなどする行為を指しますが、この件では、私電磁的記録不正作出と同供用罪を問われています。一体、これらの罪はどのようなものでしょうか。解説していきたいと思います。

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■私電磁的記録不正作出・同供用罪とは

私電磁的記録不正作出とは、人の事務処理を誤らせる目的で、事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作出することをいいます。

ここで、「事務処理」とは社会生活上意味のある事項を広く含むとされ、「事実証明に関する」とは社会生活に交渉を有する事項であればよいとされます。そのため、ゲーム内のことであっても、社会生活上意味があることである以上「事務処理」に関するものといえ、また、ゲームという社会生活と関係するといえるため「事実証明に関する」という点も満たします。

そして、チート行為はゲームを不正に有利に進めようとする意図の下にされるものである以上、「人の事務処理を誤らせる目的」もあるといえます。

したがって、この罪が成立し、かつ、作出された電磁的記録が使用されれば、同供用罪が成立することになります。

 

■その他の責任は?

また他に、電子計算機損壊等業務妨害罪が成立する余地があります。

この罪は、「虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した」場合に成立します。

不正な指令等があった場合、これによって正常な処理ができなくなっている場合であるといえ、業務が妨害されているということができるためです。

そして、チート行為によって正常な業務が妨げられているといえる以上、損害賠償責任を負うべき場合もあるといえます。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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清水 陽平 しみずようへい 弁護士

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