テレビでよく放送される警察の取り締まりなどをドキュメンタリー化した番組、『警察24時』。交通違反を検挙する模様が放送されており、高い人気があります。
観ている分には楽しいかもしれませんが、捕まるほうにしてみると納得のいかないことも多いのが現状です。スピード違反を取り締まるために目立たない場所に待機し、オーバーした瞬間に捕まえに行く。
通称「ネズミ捕り」を呼ばれるこの手法には、多くの人々が不満に感じているようです。これは違法ではないのでしょうか?
桜丘法律事務所の大窪和久弁護士にご意見をお伺いしました。
Q.スピード違反を取り締まる「ネズミ捕り」は法律的に問題ないのですか?
A.現在の法令や裁判例をみるかぎり、基本的には問題ありません
「警察官がレーダーで車両の速度を測る速度違反取締については、任意捜査として必要性があるものであれば許容されます(刑事訴訟法197条1項本文)
オービスなど自動速度違反取締装置(道路を走行する車両の速度違反を取り締まる装置)で行う捜査については、写真撮影を伴うことから肖像権との関係でプライバシーの侵害ではないか問題となったことがあります。
この点最高裁は、写真撮影が現に犯罪が行われている場合になされ、犯罪の性質、態様からいって緊急に証拠保全をする必要性があり、その方法も一般的に許容される限度を超えない相当なものであることから違法ではないとしています(昭和61年2月14日最高裁判決)。
以上の通り速度違反取締については今の法令及び裁判例からすると基本的には違法とは言えないことになります」(大窪弁護士)
やはり現行法では「合法」となっているようです。ルールを守り安全運転でいくしかありませんね。
*取材協力弁護士:大窪和久(桜丘法律事務所所属。2003年に弁護士登録を行い、桜丘法律事務所で研鑽をした後、11年間、いわゆる弁護士過疎地域とよばれる場所で仕事を継続。地方では特に離婚、婚約破棄、不倫等の案件を多く取り扱ってきた。これまでの経験を活かし、スムーズで有利な解決を目指す)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
【画像】イメージです
*スケッチブック / PIXTA(ピクスタ)
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