職務質問で「股間を触られた」…これって法的に許されるの?

12月14日、大阪府警の巡査部長が泥酔し、交際中だった女性の両親と口論に発展。駆けつけた別の警察官に職務質問されたところ立腹し平手打ちしたため逮捕されました。

犯罪を未然に防止するために警察官職務執行法によって認められている職務質問ですが、泥酔していたとはいえ現職警官であっても質問を受けることはあまり気分のいいものではないようです。

最近話題になっているのが、職質の際に男性の股間を掴むという行為。本当かどうかは不明ですが、そのようなことが行われているのではないかと噂されています。

法律的にみて、このような行為は違法ではないのでしょうか?桜丘法律事務所の大窪和久弁護士にご意見をお伺いしました。

 

Q.警察官が職務質問で股間を触る行為は法的に許される?

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A.本人の承諾がなければ違法になる

「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、もしくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができます(警察官職務執行法2条1項)。

また、職務質問に伴う所持品検査についても、法律上の明文はありませんが職務質問の効果を上げるうえで必要性・有効性がある行為であるから認められるとするのが判例です(最高裁決定平成6年9月16日)。所持品検査ということで衣服等確認を求めることは違法ではありません。

ただし、職務質問に伴う所持品検査を強制的に行うことはできません(強制的に所持品を取り出すには強制捜査である捜索差押の令状が必要となります)。したがって承諾なく衣服に手を差し入れて所持品を取り出すなどの行為は違法となります」(大窪弁護士)

 

本人の承諾がない場合は、違法になる可能性が高いようです。ただし拒否することで、嫌疑をかけられるリスクが発生します。不必要な疑いをかけられたくないのならば素直に応じ、後に意義を申し立てるがベストかもしれません。

 

*取材協力弁護士:大窪和久(桜丘法律事務所所属。2003年に弁護士登録を行い、桜丘法律事務所で研鑽をした後、11年間、いわゆる弁護士過疎地域とよばれる場所で仕事を継続。地方では特に離婚、婚約破棄、不倫等の案件を多く取り扱ってきた。これまでの経験を活かし、スムーズで有利な解決を目指す。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

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