弁護士に聞いた!ネットショップ運営者が押さえておきたい契約成立の法的解釈

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

11月15日、ネットショップ大手のアマゾンが合計2,500円以上の商品を1時間以内で配達するサービス Prime Nowの対象エリアを拡大し、新宿・池袋・城北エリアを追加。これにより、東京23区全域で、商品が1時間以内に届く配達サービスを利用できるようになったとの事です。

ますます便利になっていくネットショップですが、実際どのタイミングで法的に商品の購入が成立するかご存知で無い方も多いと思います。

そこで、今回はネットショップ運営者側の視点に立って、商品購入における契約について解説していきます。とはいえ、購入における契約はショップ側とユーザー側の両者に発生するので、利用者として覚えておいても損はないでしょう。

 

■契約が成立するタイミングは?

そのタイミングとは、お客さんからの注文に対して、ネットショップ側が送る「承諾しました」という内容のメールがお客さんに届いた時点です。

必ずしもお客さんがそのメールを開いて読む必要はありません。お客さんのメールボックスに入った時点で、契約は成立します。

なお、ネットショップ側で送ったメールが文字化けしていた場合など、「承諾しました」という内容のメールが読み取りできない状態の場合は、契約は成立しません。

 

■自動返信メールでも契約は成立する?

多くのネットショップでは、注文すると自動返信メールが送られることがあります。これによって契約が成立するかは、そのメールに書かれている内容によります。

そのメールに「ご注文を承りました」といったような内容が書かれていれば、契約は成立します。そのような内容が書かれておらず、単に「注文内容の確認」のメールであれば、契約は成立しません。

 

■契約が成立すると発生する義務

ネットショップ側は商品を渡す義務が、お客さん側はお金を払う義務が生まれます。

契約が成立した後は、両者が契約に縛られますから、基本的に商品や金額を変更したり返品やキャンセルすることはできなくなります。

 

■契約は早めに成立させた方が有利?

必ずしもそうとはいえません。契約が成立すると、ネットショップ側も法的に縛られます。

契約を成立させた後に、商品の金額を間違えて設定していたことや、商品の在庫がないことが判明してしまうと、契約不履行になる可能性もあるのです。

そのため、自動返信メールに「承諾」の内容を入れ込むことが必ずしも良いとはいえません。

 

■お客さんとのトラブルを防止するには?

「承諾した」という内容のメールは、こちらが問題なく商品を渡せるようになってから送るべきでしょう。ネットショッピングの場合、お客さんから注文があったからといって、必ず契約しなければならない訳ではありません。

そのため、受注にあたって在庫の確認や審査等が必要な場合、それをクリアしてから「受注した」という内容のメールを送っても大丈夫です。

もっとも、「承諾した」という内容のメールをなかなか送らないのもトラブルの原因になりますから、こちらが問題なく商品を提供できるようになったらすぐにメールを送りましょう。

 

 

*著者:弁護士 渡辺 泰央四谷コモンズ法律事務所。インターネットトラブルやWEBに関する事案を多く取り扱う。運営サイト「WEBに関わる法律講座」)

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渡辺 泰央 わたなべやすひろ 弁護士

四谷コモンズ法律事務所

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