最近、ニュースで一般人のドライブレコーダーによって撮影された映像が取り上げられることが増えてきました。価格が手頃になり、急速に普及しているドライブレコーダーですが、一部業務車種で搭載義務化も検討されており、事故の際の証拠能力として注目を集めています。
しかし、信号無視や歩行者の飛び出し、トラックの飛び石など、どこまで立証能力が認められているのか、各方面の専門家の見解は様々です。
そこで、ドライブレコーダーについて、交通事故・違反に関する法務に詳しい三宅坂総合法律事務所の伊東亜矢子弁護士にお話を伺ってみました。
*取材協力弁護士:伊東亜矢子(三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)
■ドライブレコーダーの画像は事実認定の根拠に
交通事故にあった場合、ドライブレコーダーに記録された映像は、どこまで証拠能力があるのでしょうか。また、自分にとって不利な証拠が記録されてしまうケースもあると考えられますが、これらを踏まえるとドライブレコーダーは搭載するべきなのでしょうか。
「車載ドライブレコーダーの画像を裁判で証拠として提出することは可能です。目撃証言など他の証拠がある場合にはそれとの整合性のチェックなどはされますが、特に問題がなければ、事実認定の根拠の一つとされます。
事故の経過について当事者の言い分が異なり、目撃者が無いような場合、真実究明のためには客観的な記録が残っていることが重要であり、搭載の意義は大きいと考えます。」(伊東弁護士)
事故に遭った合った当事者同士の証言や、目撃証言は、時間が経過すればするほど、記憶が曖昧になり信憑性が低下していくと考えられます。交通事故における損害賠償請求の裁判は、長期化するケースも少なくありません。
こうした事態に備えるためにも、ドライブレコーダーを搭載しておくことで、自身の証言を裏付ける証拠として映像を残しておくことは、リスクマネジメントとして有効な対策の一つになるでしょう。
*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)
【画像】イメージです
*Niik Leuangboriboon / Shutterstock
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