選手村予定地売却価格に関する東京都の開示資料は黒塗りだらけ。法的にOKなのか?

東京都が「晴海の選手村予定地」を建設事業者に売却した時の「価格」が話題になっています。その価格は1平方メートルあたり9万6784円。それに対して4年前に東京都が、すぐ近所の土地を民間企業に販売した時は1平方メートルあたり103万円でした。

それぞれの土地の価格差があまりに大きいので、選手村予定地は不当に安く売られたのではないかという議論が沸き起こったわけです。逆に4年前の価格が不当に高かったのかもしれません。いずれにしても、どうして9万円台の価格になったのかは、都の資料を見ればすぐに分かるはずです。

ところが、開示されている資料の大半は黒塗りで、中身はさっぱりわかりません。一文字残らず黒塗りといったページもありました。このように開示資料を黒塗りにして内容を隠すことに法的な問題はないのでしょうか。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

■黒塗り部分の公開を求めて訴訟を起こすことは可能

「まず、情報公開について説明しましょう。東京都は東京都情報公開条例に基づき、原則として公文書を公開する義務があります。」と解説してくれたのは桜丘法律事務所の大窪和久弁護士。公文書の開示請求は、都民であれば誰でもできます。具体的な請求方法は、東京都のHP「情報公開の窓」というページに記載されています。

ただし、公文書の中に『個人情報』や『個別事業者の情報』など条例で非開示情報として定められている情報に関しては、その部分を黒塗りにして開示しないことはあります。今回、問題視された選手村の土地価格についても、黒塗り部分は、何らかの非開示情報にあたるのでしょう。

「もちろん、このように黒塗りにして情報の一部を隠したこと(一部非開示処分)に対して不服がある場合は、開示を要求することはできます」(大窪弁護士)。

 

■開示を要求する方法はあるのか?

もっともオーソドックスな方法は、黒塗り部分の情報公開を求めて行政の『一部非開示処分』に対して『処分取消訴訟』を起こすことです。

また、情報公開審査会に、『一部非開示処分』にしていることが妥当なのか(非開示決定の当否)を審議してもらうといったやり方もありますが、審査の結果が出るまでには時間がかかるので、それより先に、黒塗り部分の情報開示がなされることも少なくありません。

現時点では、選手村予定地の売買が不当に低価格なものかどうかは断定できませんが、一般論として、不当な契約があった場合は、必要な措置をとってもらうために住民は自治体に対して『住民監査請求』を行うこともできます。それにも関わらず、きちっとした措置がとられない場合は、住民訴訟を提起して、自治体の結んだ契約の是正を図ることもできます。

「このように自治体には、組織内の不当な行為を是正するための様々な仕組みが用意されています。行政の不当な行為を発見した場合は、見て見ぬふりはせず、ぜひ、活用してみましょう。」(大窪弁護士)

 

*取材協力弁護士:大窪和久(桜丘法律事務所所属。2003年に弁護士登録を行い、桜丘法律事務所で研鑽をした後、11年間の間、いわゆる弁護士過疎地域とよばれる場所で仕事を継続。北海道紋別市で3年間、鹿児島県奄美市で3年間公設事務所の所長をつとめたあと、再度北海道に戻り名寄市にて弁護士法人の支店長として5年間在任。地方では特に離婚、婚約破棄、不倫等の案件を多く取り扱ってきた。これまでの経験を活かし、スムーズで有利な解決を目指す。)

*取材・文:ライター  竹内三保子(編集プロダクション・カデナクリエイト代表。西武百貨店入社後、紳士服飾部、特別顧客チームを経て、経済評論家の竹内宏に師事してライターに。「中小企業」「働く女性」「医療・介護ビジネス」などに関する記事を執筆。共著は『クイズ 商売脳の鍛え方』(PHP)『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』(マイナビ)など。)

【画像】イメージです

*wakyu / PIXTA(ピクスタ)

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