捨ててある自転車であっても、勝手に乗ったら犯罪になるかもしれない

■窃盗と占有離脱物横領

窃盗は他人の財産を盗む罪です。要するに泥棒です。

占有離脱物横領は、他人の管理下を離れた他人の財産を横領する罪です。わかりにくいですが、拾った物をこっそり自分のものにすること、俗に言うネコババです。財布を拾って交番に届けず自分のものにするのが典型例です。

他人の管理下にあるものを盗めば窃盗が、他人の管理下にないものを拾ってこっそり自分のものにすれば占有離脱物横領が成立します。ゴミ捨て場の自転車を勝手に持ち出して乗った場合、こうした窃盗や占有離脱物横領になる可能性があります。ゴミ捨て場にあったとしても、持ち主がゴミ捨て場に停めているだけかもしれません。

この場合、自転車はゴミではなく持ち主の管理下にありますから、勝手に持ち出して乗れば窃盗になる可能性があります。窃盗になる場合、「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」という処罰もあり得ます。

ゴミ捨て場にあったとしても、持ち主が置き忘れたのかもしれませんし、誰かに盗まれてそこに捨てられたのかもしれません。

この場合、自転車は持ち主の管理下を離れていますが、それでも持ち主が所有権を放棄していない以上、勝手に持ち出して乗れば占有離脱物横領になる可能性があります。

占有離脱物横領になる場合、「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」という処罰もあり得ます。

また、自治体によってはゴミ捨て場に捨てられた自転車が自治体のものになることもあり、この場合には勝手に持ち出して乗れば窃盗になる可能性があります。

 

■本当にゴミだったら

持ち主が自転車の所有権を放棄してゴミ捨て場に捨て、自治体等の占有も認められないのであれば、ゴミ捨て場から持ち出して乗ったとしても窃盗や占有離脱物横領の罪に問われません。

しかし、本当のゴミかどうかは見た目で判断できません。ゴミ捨て場に置いてある錆だらけのボロボロの自転車でも持ち主が所有権を放棄していなければ窃盗や占有離脱物横領になる可能性があります。

状況によってはゴミだと思いましたと言っただけでは通用しない場合もあります。本当にゴミかどうかは、自転車の持ち主を割り出して本人と連絡を取りゴミとして捨てたかどうか確認することによってでしかわかりません。

 

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

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