結婚することで発生する「義務」と「権利」にはどんなものがある?

結婚すれば浮気などの不貞が許されないことをご存じの方は多いかと思いますが、それ以外に結婚によってどのような義務や権利が発生するかを詳しく知っている方は少ないのではないかと思います。

それでは不貞以外に、どのような義務や権利が発生するか知っていますか?意外と知られていないような気がします。

そこで、今回は、結婚することによって負担する義務や、逆に結婚することで取得する権利について解説したいと思います。

男女

●結婚によって発生する義務は色々ある

(1)同居、扶助義務(752条)について

夫婦は、同居して、お互いに協力し合わなければなりません。そのため、相手のことが嫌いになったから別居するなどして夫婦共同生活を一方的に放棄することは許されません。

もっとも、相手が当該義務に違反したからといって、それを強制することまではできません。

 

(2)婚姻費用分担義務(760条)について

夫婦は、保有する資産や収入等に応じて、婚姻から生じる費用(婚姻費用)を分担する義務を負っています。

分かりやすくいうと、収入の多い方の配偶者は、収入の低い方の配偶者よりも、夫婦共同生活から発生する費用を多く負担する義務を負っているということになります。

 

(3)日常家事債務の連帯責任(761条)について

夫婦の一方が「日常の家事に関して」夫婦以外の第三者と法律行為をしたことによって負担した債務については、夫婦の他方が連帯して支払う義務を負うことになります。

「日常の家事」に関する法律行為とは、「個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為」(最高裁昭和44年12月18日判決)のことを指します。

そのため、不動産を買ったり、高級車を買ったことによって夫婦の一方が負担した債務については、一般的には夫婦共同生活において通常必要とは認められませんので、夫婦の他方としては、連帯支払いの義務を負わないということになります。

 

(4)貞操義務(770条1項)について

配偶者以外と不貞行為をしてはいけない、とういことを直接禁止する規定はありませんが、民法770条1項が不貞行為を離婚事由をしていることから、夫婦間においては不貞行為が禁止されていることは明らかです。

 

(6)未成年の子の監護義務(820条)について

夫婦間に未成年の子どもがいる場合、親権者である両親は、子どもを監護する義務を負います。

具体的には、夫婦の収入、資産の状況に応じて、子どもを育てていくために必要な費用(食費、養育費、学費等)を負担しなければならないということです。

 

●結婚によって取得する権利

(1)財産分与請求権(768条)

結婚時というよりも離婚時に発生する権利ですが、離婚時において財産が少ない方の配偶者は、財産が多い方の配偶者に対して、その財産を分与するよう請求する権利があります。

 

(2)相続権(890条)

一方の配偶者が死亡した場合には、生存している配偶者は、2分の1から4分の3までの範囲内で、死亡した配偶者の財産(遺産)を相続する権利が発生します。

以上のように、なんとなく一般常識として感じていることが、実は法律で定められているというケースもあります。結婚することがあれば、意外と気にしない義務や権利について一度おさらいすると良いかもしれませんね。

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*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

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