先日女優・タレントの仁支川峰子が、テレビ番組内で「男性に3,000万円貢いだ」と告白し、話題になりました。
別れ間際にお金を渡したそうで、『騙されるとわかっていても一縷の望みとして出してしまう』と説明しています。彼女によると、お金は返してもらっておらず、「奪われてしまった」ようです。
この話を聞いた出演者たちは、一様に驚きの声を上げました。
■異性にお金を貢ぐケースは多々ある
仁支川峰子に限らず、異性の気を引くため、お金を貢ぐケースは多々あるようです。場合によっては資金が尽きてしまい、借金をするケースもあると聞きます。
そのような場合、大抵仁支川のように相手は「トンズラ」し、返ってこないことがほとんど。支払った側としては、金額が大きければ大きいほど「返してほしい」と思うものでしょう。
貢いだ金を返してもらうことはできないのか?銀座さいとう法律事務所の齋藤健博弁護士にお聞きしました。
■貢いだお金を取り戻せる?
齋藤弁護士:「まず、金銭の移転がどのような理由に基づく給付であったかが重要になります。もちろん、返還請求をする側はお金を貸しただけだ、これは消費貸借契約だったのだと主張していきます。
一方で、受けた側は、もらっただけなんだと、反論するでしょう。もちろん、このようなお金の移動に契約書が存在していればよいのですが…男女間でこのようなものがあると興ざめですよね。通常、契約書は存在しないでしょう。
でも、紛争になってしまっているわけです。契約書がなくても、たとえば、『メールやラインなどで、これは返してね、わかりました』と、経緯がはっきりするのであれば、ひとつの証拠になりえます。
逆に、『いつもありがとう、もらっておくね。』ですとか、『こんなにもらってしまっていいの?』などの証拠が出てきてしまうと、贈与に傾きます。
実は、贈与も、消費貸借も、民法が典型契約として定める立派な契約の一種です。のちのちにトラブルになるよりは、男女間であっても明確に契約書などを作成しておくほうがよいかもしれませんね。」
お金を貢ぐ人はほとんどの場合相手の気を引くためにお金を渡しており、「返ってきてほしい」とは考えず、「信じている」と思ってしまうよう。
しかし、異性からお金を借り、平然としていられるような人物がそれを返す可能性は、低いと言わざるを得ません。相手が誰であろうとも、返済期限などを書いた借用書を作成しておいたほうがよさそうです。
ただしそれでも相手が行方をくらましてしまえば、お金を取り戻すことはできません。相手を信じて貢ぐか否かは、結局「自分次第」ということでしょう。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
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