先日ある相談掲示板に会社員とみられるユーザーから、「1ヶ月後に『退職してほしい』といわれたが辞めたくない。その旨を伝えても応じてもらえず困っている」との書き込みがありました。
相談者は仮に辞めるにしても「会社都合退職」してほしい、と頼んでいるそうですが、受け入られていないとのことです。
実際のところ、自分がそのようなことに遭遇した場合、「辞めるか・残るようお願いするか」の二択でしょうが、職を失うわけですから、やはり残りたいと思うものでしょう。
このような「退職を促す」行為を「退職勧奨」といいますが、これを断ることはできないのでしょうか?法律事務所あすかの冨本和男弁護士に見解をお伺いしました。
■退職勧奨を断ることはできないの?
「退職勧奨は、自らの意思で退職するよう労働者に勧めることです。「辞めたくない」と思っているのであれば、拒否できます。辞めるにしても「自己都合」ではなく「会社都合」としたい場合も、退職勧奨に対して拒否すればよいと考えます。
退職勧奨を拒否された場合、会社の方が解雇してくる可能性がありますが、解雇されれば「会社都合」となります。拒否したにもかかわらず、解雇しようとせず執拗に退職勧奨を長期間繰り返すような場合は、違法となります。
その場合、弁護士に相談されるとよいでしょう」(冨本弁護士)
退職勧奨受けたからといって、「辞めなければいけない」というわけでありません。拒否しても執拗に繰り返す行為は違法となるようです。
会社からそのようなことを言われるのはショックでしょうが、辞めたくない場合はきっぱりと拒否をするようにしましょう。
*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
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