「きみ、帰っていいよ」就活生が恐れる圧迫面接…訴えることはできる?

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2017年も3月に入り、就職活動が解禁されました。就活生の皆さんにとっては、これから勝負の時期となります。自らの希望する会社に入るため、自己分析やエントリーシート提出の準備などを進めていることでしょう。

例え勉学が優秀でも、面接で「社会不適合」と判断されてしまえば、簡単に落とされてしまいます。これを乗り切ることが、就職活動を勝ち抜く大きなポイントといえます。

 

■圧迫面接を実施する企業も

企業によっては学生の「耐性」を見るためにわざと怒らせるような質問をする「圧迫面接」を実施することがあります。

酷いケースになると、「大したことない人間だね」「学生時代なにやってきたの?」「あなたみたいな使えない大学生はうちには入れないよ」などと、人格や学生時代のキャリアを否定するような発言を行い、対応を観察します。

そのようなことをする会社には入りたくないと考える人が増加しているため、圧迫面接の総数は減少しているといわれていますが、遭遇してしまう可能性もゼロではありません。

そもそも、「人格やキャリアを否定して耐性を見る」ような面接は違法ではないのでしょうか?

 

■圧迫面接を理由に訴訟できる?

残念ながら、圧迫面接を規制できそうな法律は存在していません。企業が「学生を採用するために必要」と判断しての行動である場合、そのことに違法性を問うことはほぼ不可能です。

しかし、その内容が学生を著しく侮辱したものであった場合や、常軌を逸した威圧的行動、選考とは関係ない部分での誹謗中傷などがあった場合は、侮辱罪や名誉毀損罪で訴えることは可能であると思われます。

その場合、それを立証するものが必要になりますので、面接を録音するようにしておいたほうがいいかもしれません。

 

■面接は学生が企業を見る場でもある

実際のところ、圧迫面接で屈辱的な発言を受けたことで訴訟に踏み切るケースは、費用的な部分を鑑みても少ないことでしょう。

面接は学生が企業を見る場でもありますから、時間と費用を浪費する訴訟を起こすよりも、切り替えて次を目指したほうが得策といえます。

一般的にいい会社といわれる会社であったとしても、自分の肌に合わないと感じるような要素があればすぐに辞めることになってしまいます。面接で自分に合った会社であるかを見極めましょう。

 

*記事監修弁護士: 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

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