先月9月26日に実施された臨時閣議において、政府は年金制度の変更法案を閣議決定しました。注目されている点としては、これまで年金の受給資格を取得するために最低でも25年必要だった年金加入期間が、10年にまで短縮されることです。
これにより年金の受給資格者は大幅に増えることが見込まれ、約64万人が新たに受給者に加わる試算だと報道されています。
ではこの法改正案が実現した場合、法的にどのような点に気をつけなければいけないでしょうか。
■最低期間が短縮されるだけで年金額は増えない
法改正が成立すれば年金受給資格者は増えることとなりますが、当然のことながら、10年の最低加入期間しかない場合、25年以上納付した人よりも、年金額は大幅に減ります。
今までであれば受給資格がなく0円だった人でもいくらか年金を受給できるようになりますが、最低加入期間しかない場合は、年金だけで老後の必要な生活費を賄うことは困難となるでしょう。
最低加入期間が緩和されたとはいえ、最低加入期間分だけでは、生活していくために十分な年金額の確保ができないことは、従前と比べて変わりありません。
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