社員の出社はどう保障?台風などの自然災害で想定すべき企業のリスクマネジメント

台風などの大規模な自然災害が起きたとき、出社するか悩んだ経験があるビジネスパーソンの方も多いと思います。また、取引先への支払いなど、どうしてもその日に完了しなければいけないことが、自然災害によって遂行することが難しいといったケースでは、どのような対策をとるべきか不安に感じる担当者も多いでしょう。

そこで、和田金法律事務所の渡邊寛弁護士に、自然災害において企業が行うべきリスクマネジメントについて伺ってみました。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

■自然災害が起きても従業員を出社させるべきなのか?

自然災害においてビジネスパーソンが考えなければいけないリスクに、顧客、従業員、取引先などに対する損害賠償があります。従業員が怪我をした場合も企業が損害賠償しなければいけないケースがあり、台風や地震などの自然災害が起きた際に、在宅勤務の対応をとる企業も増えてきました。しかし、日本ではまだ社員を出社させる企業が大半かと思います。

このように自然災害が起きた日などに、強制的に出社させて社員が怪我した場合、企業の賠償責任はどのようなものが想定できるのでしょうか。

「使用者は従業員に対してその生命・身体の保護に配慮する義務を負います。強い台風の日に出社させたり、屋外作業をさせたりして、従業員が怪我をした場合、使用者は安全配慮義務違反の損害賠償責任を負う可能性があります。

出社が困難なほどの台風であれば、出社できないのはやむを得ない(不可抗力)ですから、従業員は出社の義務が免除されるとも考えられます。そのため台風で出社できない従業員を処分することはできません。ただし、その場合は労働力の提供がありませんから、賃金の支払い義務もないことになります。」(渡邊弁護士)

 

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