■収入が少ない人は、年金以外にも免除や猶予の制度活用を
今回の法改正によって新たに導入予定のものではありませんが、従来から、収入が少ない方のためには、若年者猶予や学生納付特例、保険料の一部免除といった制度が用意されています。
保険料の負担を一時的に軽くしつつ、年金の加入期間に算入することができますので、年金未納付のまま放置するのではなく、猶予等の手続きを申請した方が後々のためになります。
なお、年金財源には一部税金も投入されており、免除の場合は、税金充当部分が年金額に加算されます。
したがって、未納付のまま放置するよりも、税金充当部分の年金加算があることを念頭に入れ、自分がどの制度を利用できるか、今回の法改正を契機に、未納付の若い方も今一度確認してみましょう。
■新たな受給資格者は忘れずに申請を
また、最低加入期間の短縮が実現すると、受給資格者数は大幅に増えます。もっとも、年金の支給は自動で行われるわけではないため、申請が必要となります。今後、新たな受給資格者には申請書等の必要書類が届きますので、忘れずに受給の手続きをしてください。
また、住民票等を引っ越しなどで現住所に移していない方は、手続きが遅れる可能性もありますから、きちんと最新の届出をしておきましょう。
*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中 国法務、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件等が専門。)
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*freeangle / PIXTA(ピクスタ)
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