就業時間中、病院に行きたいのに会社が許可しない これって合法?

平日忙しく働いている会社員の場合、病院に行くこともままならないことがあります。歯の痛みなど、我慢が効かない場合は、休暇を取り通院するしかありません。

しかし、なかには休暇を取りたくない場合や、忙しさで休めないこともあります。会社の近くに良い病院があるのなら、就業時間中に行きたいと思うことでしょう。

会社によっては通院を認めるところもあるようですが、「就業時間中は仕事以外ダメ」とする企業もあるようです。社員としては体調不良などの場合には認めてもらいたいところですが…。

就業時間中の通院拒否は法的に認められているのか。法律事務所あすかの冨本和男弁護士に見解をお伺いしました。

Q.就業時間中の通院を会社が認めてくれない。これは法的に許される?

A.ケースバイケースですが、緊急を要する場合は違法になることもあります。

冨本弁護士:「例えば、就業時間中突然の腹痛のため病院に行きたいという場合、緊急でやむを得ないことですし、会社の方にも従業員の生命・健康に配慮する義務がありますので、就業時間中であることのみを理由に許可しないことは問題があると考えます。

これに対し、就業時間中病院に行く必要性が乏しく緊急性の認められない場合、例えば従業員が平日病院に行くために有休を利用したくないだけの場合、従業員は就業時間中会社の仕事に専念する義務がありますし、会社には就業時間中従業員の仕事を指揮する権限がありますので、許可しなくても合法ではと考えます」

急な腹痛など緊急性を要する場合は通院を認める必要がありますが、「有休を利用すれば済む」ようなケースでは、会社が許可しないことも違法とはならないようです。

サラリーマンとしては少々厳しいような気もします。「許可しないことも合法」であることを理解したうえで、上司や管理者に相談してみるのが得策かもしれません。

 

*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

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