「TSUTAYA TV」が景品表示法違反の指摘…一体なにがダメだったの?

消費者庁は5月30日、『TSUTAYA』が運営する動画配信サービス『TSUTAYA TV』の広告が景品表示法違反にあたるとして、再発防止を求める措置命令を出したことが話題になりました。

『TSUTAYA TV』は「動画見放題」と謳い課金者を募っていましたが、実際に閲覧できるのは全動画のうち1割から2割程度。登録者から不満の声が上がり、問題化していました。

 

■景品表示法って?

今回問題になった『景品表示法』(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)。

この法律全体の目的は、不当な表示や過大な景品類を規制し、公正な競争を確保することにより、消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守る点にあります。要は、消費者が商品やサービスの提供をうけるにあたって、過大な表示や景品につられてしまい、商品そのものが実は粗悪品だったりすることを防止しましょう、という狙いです。

最近ではダイエット関連の広告や自動車メーカーの燃費数値不正に絡んだ広告が景品表示法違反を指摘されたことがありました。

 

■どんな広告が景品表示法になる?

景品表示法で禁止される『不当表示』とはどのようなものなのでしょうか。景品表示法第5条に、以下のように定められています。

 

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

 

5条の各号のうち1号は『優良誤認表示』といいます。商品が虚偽の成分や属性を有しているかどうかが問題となります。

なお、1号にいう『著しく』とは、誇張・誇大の程度が社会に許容されている限度を超えているかどうかが問題となります。

『TSUTAYA TV』のケースは見放題と銘打っておきながらじつは一部しか見られないという『事実と異なる』広告となっており、1号に該当するものと思われます。

 

もちろん、競争社会ですから、同業他社と差をつけたい気持ちは理解できますが、事実と異なる広告は法律違反になるわけですね。実は、これらに違反する行為が行われている疑いが有る場合には、消費者庁による調査や、措置命令が行われます。

 

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

*監修弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)

*画像はイメージです(pixta)

コメント

コメント