新潟県の米山隆一知事が、出会系アプリ『ハッピーメール』で知り合った女子大生を買春していたことが判明。同知事は責任を取る形で4月18日、県議会議長に辞職届を提出しました。
県知事が出会い系サイトで若い女性を探し、お金で買っていたというニュースはかなりショッキングなもので、新潟県民を中心に波紋が広がっているようです。
■苦しい主張を続けた米山知事
辞職願提出後の記者会見で米山知事は、事実を認めたうえで「恋愛感情があった」「金で関心を買おうと思った。好きになってほしかった。」などと説明。あくまでも「恋愛感情の延長でお金を支払った」などと主張しています。
しかし、「ハッピーメール」の特性などを考えると「最初から身体目的でお金を渡していた」可能性は、極めて高いと言わざるを得ません。このような売春行為は出会い系サイトなどを介して頻繁に行われているようですが、「買う側」は「罪に問われない」という通説があります。本当でしょうか?
また、米山知事が「恋愛感情があった」と主張していることに対し、「罪を逃れるためではないか」と見る人もいるようです。このあたりの疑問を、銀座ウィザード法律事務所の小野智彦弁護士に解説していただきました。
■買ったほうは罪にならないの?
「売春防止法というのがありますが、通常春を売り買いするだけでは、罰則の適用はありません。売る方は保護の必要があるということで補導されることはありますが、逮捕されることはありません。売春婦を管理して、売春をさせる管理売春が処罰の対象になります。
現在の法律では未成年者でない女性を男性が買ったとしても刑事罰にはならないとのこと。とはいっても売春・買春行為が好ましいことでないのは明らかで、新潟県知事のように明るみに出ればその地位を失うこともあります。
刑事罰の対象にならなくとも、『社会的制裁』が待っている事案があることも、また事実のようですね。
*取材協力弁護士:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)