中小企業に勤めるSさんは、同僚が隣で頻繁にアダルトサイトを堂々と閲覧していることに辟易としています。小さい会社のためブロッキングなどをしていないこと、社員の営業成績がいいことなどから免職できない事情があり、現状野放しになっているそう。
経営者に確認したところ、何らかの処分を検討しているとの回答があったそうですが、未だ実行されていない状態。そのようなサイトを職場で閲覧することは、やはり不適切。減給や免職などの処分にすることはできないのでしょうか?
銀座ウィザード法律事務所の小野智彦弁護士に見解を伺いました。
Q.職場でアダルトサイトを閲覧する社員を処分することは可能?
A.就業規則に規定があれば可能ですが、処分の内容は頻度や悪質性によって異なります
「会社のパソコンを業務中に私的に利用したということになりますので、職務専念義務違反ということになります。そして、就業規則に職務専念義務違反について懲戒処分することができるという規定があれば、処分すること自体は問題ありません。
問題は、どの程度の処分が妥当か?ということになります。これはアダルトサイトをどの程度閲覧していたか、つまり、その利用の頻度、期間、悪質性によって処分の内容が異なることになります。程度に応じて、戒告・けん責から、減給、降格もあるかもしれませんが、免職は難しいように思います。」(小野弁護士)
職場でアダルトサイトを閲覧する行為は確実に不適切で、自分の立場を悪くすることは間違いありません。そのことだけは、肝に銘じておきましょう。
*取材協力弁護士:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)