11月、愛知県内の焼肉店で、肉を焼いていた客のコンロからダクトに火が燃え広がり、店を全焼させるという事故が発生し、飲食店関係者を中心に、衝撃を与えました。
今回の火災では、客が食べ放題の制限時間内に肉を食べきろうと大量の肉をコンロで焼いていたことが火災の原因であるとみられています。
この場合、責任は誰が負うことになるのでしょうか? 法律事務所あすかの冨本和男弁護士に見解をお伺いしました。
Q.客が出火原因の火事…責任は誰が取る?
A.客に重大な過失がある場合には客の責任になります。
「客のほうに重大な過失がある場合には客に責任があります(失火の責任に関する法律)。
仮に客のほうに重大な過失があったとしても、お店のほうがダクトの清掃や定期点検を怠っていたような場合にはお店のほうにも過失がありますので、客の責任はその分軽くなります(民法722条2項)」(冨本弁護士)
やはり今回の客による肉の焼きすぎによる出火のように、客側の重大過失によって火災へと発展した場合は、当事者が責任を負うことになるのですね。
ただし、店側にも落ち度があった場合は、その罪が軽減されることもあるようです。いずれにしても、自分で起こした火災は、当然ながら自身で責任を取ることになります。
焼肉店などでの火の取扱いは、十分気をつけましょう。
*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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