もうすぐ多くの会社では、夏のボーナスが支給される季節に入ります(ボーナスなんて無いよ、という会社もあるでしょうが……)。日経新聞の調査によると、大企業の夏のボーナスは円高の影響で昨年に比べると減少傾向にあるようです。
ボーナスを貰った場合、貯金するのか、欲しかったものを買おうと思うのか、人によって使い道はそれぞれでしょうが、会社によっては、自社製品の購入など、会社にボーナスの使い道を指定されるところもあるようです。
このような指示は違法ではないのでしょうか?
Q.ボーナスの使い道を指定するなんてアリ?
A.ボーナスの使途は自由なので、使い道の指定は許されません。
ボーナスに限らず、会社から支給される賃金は、従業員がどう使おうと完全に自由です。
会社と従業員の関係は、「仕事をする代わりに給料を払う」という契約関係に過ぎないため、支払う給与などの使い道を会社は指定する権利など一切ありません。よって、ボーナスの使い道を指定されたとしても、従業員としては一切従う必要はありません。
ただ、会社と労働組合(もしくは従業員の過半数代表者)との間で「労働協約」というものを締結した場合には、会社はボーナスを現物(例えば自社製品や商品券など)で支給することも合法に可能となります。
業績が悪化している会社の場合、現金でボーナスを支給する余裕がないため、現物で賞与を支給するように変更する会社も中にはあるようです。
このような場合には、実質ボーナスの使い道が指定されているのと同じような意味になるかもしれませんね……。
*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。
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