蛭子能収さん、太川陽介さんと女性ゲスト1人で路線バスのみを使って珍道中を繰り広げる『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』。当初は注目されていませんでしたが、そのハラハラ・ドキドキな展開が評判となり、人気コンテンツになりました。
ご存知の通り、蛭子・太川コンビは今年1月で降板となり、現在は俳優・田中要次さんと作家・羽田圭介さんがあとを引き継ぎ、まずまずの人気を見せています。
バス旅人気の秘密は、路線バスが停留所にしか止まらないという性質をうまくついていること。仮に路線バスがタクシーのように手を上げただけで停車し、乗車できてしまっては、面白くなくなってしまいます。
そんな路線バスについては、極稀に停留所以外での乗降を見かけた人もいるかと思いますが、基本的には停留所以外に止まることはなく、乗降も出来ません。それはなぜなのでしょうか?
Q.停留所以外の場所で路線バスが止まらないのはなぜですか?
A.道路運送法で定められているためです。
道路運送法には、以下のような規定があります。
路線定期運行を行う一般乗合旅客自動車運送事業者は、運行計画(運行系統、運行回数その他の国土交通省令で定める事項(路線定期運行に係るものに限る。)に関する計画をいう。以下同じ。)を定め、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。(道路運送法第15条の3)
一般旅客自動車運送事業者は、天災その他やむを得ない事由がある場合のほか、事業計画(路線定期運行を行う一般乗合旅客自動車運送事業者にあつては、事業計画及び運行計画。次項において同じ。)に定めるところに従い、その業務を行わなければならない。(道路運送法第16条)
この法律により、天災などやむを得ない理由がないにもかかわらず停留所を飛ばす、道順を変えるなど、国への申請時に設定した事業計画及び運行計画と違う行動をとることは、法律違反となります。
ですから、停留所以外の場所で停車し、客を乗降させることは法的に「できない」ということになります。儲かっていないバスなら、止まって客を拾いたいと考えるかもしれませんが、それをすると、法を犯すことになってしまいます。
ただし、バス会社によっては「フリー乗降制」をしいている場合があります。この場合は、客がバスを見つけたときにで手を上げれば停車し、降りる場所についても申告制となります。もちろんこちらも、国が許可した場合のみとなります。
たまに「手を上げただけでバスに乗れた」という声を聞きますが、これはフリー乗降制であると思われます。
*記事監修弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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*leonido / PIXTA(ピクスタ)
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