退職時は取引先の名刺を置いていけ…これって応じないとダメ?

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勤務していた会社を退職するときには、保険証や社員証、社用のパソコンなど、多くのものを返却することになります。

では、例えば営業などの仕事で得た取引先の社員などの名刺は、返却しなければならないでしょうか。返却しないで退職後に使用することは可能でしょうか。今回は、この点について解説していきます。

 

■取引先の名刺は会社に返却しなければならない

会社の取引先の名刺は、一般的に会社が所有権を持っていると考えられています。

また、会社がどのような相手と取引をしているかは会社の秘密情報にあたりますし、その取引先が個人事業主の場合には、名刺に記載されている情報は、個人情報にも該当します。

つまり、名刺に記載されている情報は、会社にとって外部に漏洩してはならない情報に該当します。

ですので、退職時には、会社の求めに応じて取引先の名刺は会社に返却する必要があります。

また、名刺をコピーするなどして、名刺上に記載されている情報を持ち出すこともできません。

 

■名刺上の情報を使用することの問題点

例えば、退職後に自身で会社を設立し、名刺上の情報を活用して、勤務していた会社の取引先に営業行為を行った場合、前勤務先から、損害賠償を請求されることもあり得ます。

具体的には、自身で設立した会社が前勤務先と同業種である場合などが想定されます。

また、取引先の情報を、勤務先のライバル会社に譲渡するようなケースも同様に全勤務先からの損害賠償請求の対象となります。

日頃、気軽に受け渡しする名刺ですが、実は会社にとっては、営業利益に関わる重大なアイテムです。

退職後に大きなトラブルを招かぬよう、退職時には速やかに返却するだけでなく、日頃から名刺上の情報管理には十分に配慮すべきでしょう。

 

*著者:弁護士 寺林智栄

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