名刺交換をした相手から大量の「メルマガ」 …何かの罪にならないの?

朝活、お茶会、カフェ会、セミナー……などなど、意識の高いビジネスマンは積極的に業務外で交流会に参加し、人脈を広げているようです。

個人的に意識の高い「系」弁護士を知っており、私はこの言葉が好きではないのですが……というのはさておき、中には交流会で名刺交換をした相手から突然メルマガや定型的な営業メールが送りつけられることがあるらしく、わずらわしさを感じている方もいるとのこと。

このように、相手から承諾を得ていないのに不必要なメールを一方的に送りつける行為が法的に問題はないか解説していきたいと思います。

交流会パーティー

●迷惑メール防止法には引っかからない

正確には「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」というこの法律では、相手の同意なく広告・宣伝メールを送ることを禁止しています。

しかし、名刺などの書面により相手にメールアドレスを通知した場合は、明示の同意がなくとも広告・宣伝メールを送付してよいと定められていますので、名刺交換をしてしまったらこの法律は使えないのです。

もっとも、広告・宣伝メールを送り付けるだけでなく実際に電話やメールで勧誘される場合には、特定商取引法や金融商品取引法違反になる可能性があり、悪質な勧誘は損害賠償や業務停止命令の対象になります。

 

●個人情報の不正利用になる?

不必要な広告・宣伝メールを一方的に送り付けることは、メールアドレスという個人情報の不正利用となり違法なのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、(1)個人情報保護法は個人情報をデータベース化したものを事業に利用している個人情報取扱事業者のみが規制の対象であること、(2)名刺交換をしたことにより、メール送付のためという個人情報の利用目的は伝えられているといえなくもないことより、営業担当社員が集めた名刺をリスト化・データベース化して会社のメルマガを配信するというような場合でも違法とならない可能性が高いです。

 

●刑事的にはどうか?

メルマガや営業メールを送り続ける行為は、理屈としては威力業務妨害罪が成立する可能性があります。

しかし、威力業務妨害罪が成立するというためには、配信停止の依頼をしたにもかかわらず、単にイラッとするにとどまらない大量のメールが送られてくる等、自分の業務に支障が出るといえる程度の行為でなければなりませんので、通常は成立しないでしょう。

 

●通常であれば違法にはならない

以上のとおり、承諾をしていないのに名刺交換をした相手が不必要なメールを一方的に送りつける行為は、度を超すようなものでなければ違法ではないと言わざるを得ません。

常識的な相手であれば、相手や相手の会社に対してメール送付の停止を依頼したり、交流会主催者に対応を依頼したりすることにより、メールが送られてくることはまずなくなるでしょう(そもそも、危なそうな相手用のためにあまり使わないフリーメールアドレスを記載した名刺を用意するなどの対策もありかもしれません)。

もしそれでもメールが大量に送付されてくるような悪質なケースであるときは、消費生活センターや弁護士に相談することも考えられます。

 

*著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング。)

スポンサードリンク
   
木川 雅博 きかわまさひろ

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1-21-8 弁護士ビル303

コメント

コメント