先日、居酒屋を営む男性がTwitter上で「予約のあった29名の団体客に連絡がないままキャンセルされた」と被害を訴える事案が発生。
店は29人入るといっぱいになるようで、事実上貸し切り状態。料理も人数分用意し、準備万端で到着を待っていましたが、時間になっても客は来ず。連絡先に電話をしても出ないそうで、「バックレ」られたそうです。
Twitterで来店を呼びかけたところ、同情した常連やネットユーザーが多数来店。料理を無駄にすることなく、なんとか赤字は回避することができたようです。
このケースはネットでの訴えにより様々な人々が協力したため、難を逃れたようですが、居酒屋などではこのような団体客予約客による「バックレ」が頻発しています。
店側としては、このような行為については厳しく接したいところ。損害賠償を請求することはできないのでしょうか?
Q.予約を「バックレ」た団体客に損害賠償を請求することはできる?
A.予約が確定している場合はそこで契約が成立していますので、賠償は可能であると思われます。
団体客が予約を入れ、店との間で開始時間とスペースの確保を合意した時点で契約が成立しています。
そのような状況で時間になっても姿を現すことなく、店側に損害が発生した場合は、「契約不履行」ですから、当然ながら損害賠償を請求することは可能であると思われます。
しかし、今回のケースのように団体客側との連絡手段が途絶えてしまえば、賠償を請求することは事実上不可能です。予約時に電話番号だけではなく、住所などを聞いておいたほうが良いでしょう。
もちろん、それも全てウソである可能性も否定しきれません。
店側としては、団体客の予約については身分証明書の提示させたうえ、事前にキャンセル料や損害賠償請求の可能性があることを取り決めるなどして、自己防衛しておく必要があります。
悲しいことではありますが、人を簡単に信用せず、常に不測の事態を想定した行動が求められます。それが、店を守ることになります。
*記事監修弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
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