日本の公共交通機関は時間にかなり正確です。とくに電車は秒単位の正確性を誇っており、人身事故や天候不順などがないかぎり、ほぼ遅れることはありません。
そんななかで、どうしても時間にブレが出てきてしまうのが、道路状況に左右されてしまう路線バス。渋滞が発生すると動けないため、遅れることも多々あります。これは仕方のないことで、利用者側からすると諦めるしかありません。
それでは、遅延の反対、早発はどうでしょうか。
『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』では、蛭子能収さんが「運転手さんの心理として最後のバスは帰りたいから早くでちゃうんだよ」と持論を展開していましたが、そのようなことは法的に許されるのでしょうか?
Q.バスが定刻より早く発車することは法的に許されていますか?
A.違法です。旅客自動車運送事業運輸規則に早発の禁止が定められています。
旅客自動車運送事業運輸規則の第十二条に以下のような条文があります。
「一般乗合旅客自動車運送事業者は、第五条第一項第三号及び第二項第三号の規定により営業所及び停留所に掲示した発車時刻又は同条第一項第四号若しくは第五号の規定により営業所に掲示した発車時刻前に、事業用自動車を発車させてはならない」
つまり、『ローカル路線バス』内で蛭子さんが言ったように、「早く帰りたいから時間前に出てしまえ」という行為が明るみに出た場合は、法律違反ということになります。
最近はドライブレコーダーを搭載したバスが増えているため、利用客から申し出があれば、すぐに発覚することでしょう。
バスの早発は、法的に許されないようです。
*当初掲載された画像に誤解を招く内容が含まれていたため、差し替えをいたしました。
*取材協力弁護士:小野智彦(銀座ウィザード法律事務所代表。手品、フルート演奏、手相鑑定、カメラ等と多趣味。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
【画像】イメージです
*R-DESIGN / PIXTA(ピクスタ)
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