入社予定の新卒が3月に突然辞退…会社は学生に補償を要求できる?

今年大学を卒業する予定で、既に企業から内定をもらっている皆さんは、今ごろ最後の学生生活を謳歌していることでしょう。

旅行、ギャンブル、ごろ寝など楽しみ方はそれぞれですが、時間が有り余ることは今後ほとんどなくなるわけですから、楽しむだけ楽しんでおきたいところです。

そんな生活を送っていると、「なんだか仕事するのが嫌になっちゃった」と感じてしまう人もいるかもしれません。

「このままニートでいたい」あるいは、バイト先からいい条件を提示され「うちの社員にならない?」といわれた。その場合、もうすぐ3月というこの時期ではありますが「内定辞退したいです」と連絡をしたくなります。

そのようなことをされると、企業は困ってしまいます。この時期から新入社員をとるのも一苦労ですし、なにより費用がかかります。余計な出費は、辞退した学生に請求したい気もします。そのようなことは可能でしょうか?

ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解をお伺いしました。

 

Q.内定を出していた新卒に突然辞退された! この場合補償を要求することはできる?

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

A.原則的には無理です。

「労働者側からは解約の自由があるので(民法627条)、2週間前の予告期間を置く限り自由でしょう。なので、補償を求めるのは原則無理です。ただし、あまりにも信義則に反するような場合は別かもしれません」(森川弁護士)

2週間の予告期間を置いていれば、基本的に内定の辞退は可能なので、企業側から補償を要求することは原則不可能であるようです。

しかし、法的にそうであっても、道義的に入社直前に「辞退」するのは信義に反するといわれても仕方がありません。特段の事情がない限りは、約束通り入社するのがベストかもしれません。

 

*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)

【画像】イメージです

*maroke / PIXTA(ピクスタ)

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