残業の申請が却下された…申請を却下した者に罰則があるってホント?

ここ最近、違法な長時間労働が社会問題化しています。直近の例でいえば、従業員を過労死させてしまった某大手広告代理店などでは、入札を停止させられるなど法違反が原因で本業にも支障が生じ始めるなど深刻な事態となりつつあります。

そこで、会社によっては長時間労働を表面化させないように、部下からの残業申請を却下したり、実際の労働時間よりも過少申告するように指導したりしているところもあると聞きます。

このような行為は当然法違反であることは間違いないですが、会社だけでなくこのような指示を出す上司に法的なペナルティを課すことはできないものなのでしょうか?

 

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Q.残業の申請を却下する上司に法的責任は課せられないの?

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A.実際に残業をしたのに、上司がその残業を却下する場合、労働基準法違反として会社だけでなく上司個人にも罰則が課せられることがあります。

実は労基法では「両罰規定」という考え方が存在します。これは何かと言うと、実際に法律に違反する行為が行われた際、その会社だけを罰するだけに留まらず、法違反を直接指示した者(今回の例であれば上司)にも刑罰を課す、という考え方です。

そのため、長時間労働が違法化しないように上司が残業を勝手に却下していたり、部下の出勤簿を改ざんしていたりしていると、その会社だけでなく上司本人も処罰される可能性があります。

労基法には罰金だけでなく懲役刑も用意されているため、部下を持つ上司の方は違法なことをやっていると自分自身も「犯罪者」として罰せられる可能性があるのだということを理解しておくと良いでしょう。

 

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

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