この記事を読んでいる男性読者の皆さんの中には、付き合っていた恋人にプレゼントをあげたり食事をごちそうしたものの、別れたからその分のお金を返してほしいと思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
はたまた、実際に以前付き合っていた彼氏から、「付き合っていた時に貢いだお金を返せ」と言われた方もいるかもしれません。
お金はトラブルの原因になりやすい問題ですが、今回は彼氏にお金を返す必要があるのか、解説していきたいと思います。
■返す必要はない
結論としては、お金やプレゼントを返す必要はありません。理由は、法律上、彼氏から彼女に対して贈与契約が成立しているためです。
具体的には、「書面によらない贈与契約」ということになります。書面によらない贈与契約は、いったん履行したあとは、撤回することができません。
そのため、彼女に対して食事をごちそうしたり、プレゼントを渡したあとは、もはや食事代を返せとかプレゼントを返せなどと主張することができないということです。
■「別れたら返してね」と言われていたら?
もっとも、食事をごちそうされたり、プレゼントをもらう際、彼氏が何らかの条件を付けていた場合、食事代やプレゼントとしてもらった物を返さなければいけない可能性はあります。これを「負担付贈与」と言います。
たとえば、彼氏から「俺と別れた場合には返してくれ」という条件付きで食事をごちそうされたり、プレゼントをもらったような場合には、彼氏と別れた際には食事代やプレゼント代を彼氏に返さなければならない可能性があるということです。
もっとも、上記のような条件は、お金や物で恋愛を拘束するものなので、公序良俗に反して無効と判断される可能性が高いかもしれません。
*この記事は2015年3月に掲載されたものを再編集しています。
*著者: 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)
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