「年金制度改革法案」が参院で審議入り…なぜ「年金カット法案」って言われているの?

昨日12月6日、年金制度の新ルール化を盛り込んだ「年金制度改革関連法案」が参議院厚生労働委員会で審議入りしました。11月末、衆議院の本会議で賛成多数によって可決となっており、いよいよ大詰め段階に入っています。

この法案は「現役世代の負担減・年金制度そのものの安定化に繋がる」という声もある一方、「現在もしくはこれから年金を受給する高齢者の年金減額に繋がる『年金カット法案』だ」という批判の声もあります。

とはいえ、そもそも年金の金額というのはどのような仕組みで決まっているのでしょうか? また、どうしてこの法案は「年金カット法案」だとして批判を浴びているのでしょうか?

Q.「年金カット法案」と言われている理由は?

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A.物価が上昇しても、賃金が下落すれば年金額が下がってしまうため

現在の制度でも年金額は「賃金・物価」の影響を受けるため、実はこれらの増減によって年金額は毎年微妙に変動しています。ただ、今の制度では「特例措置」として、物価が上昇していても賃金が下がっている場合は、年金額は「減らさない」というものが採用されています。

しかし、今回の改革法案ではこの特例措置を無くすようになっているため、物価上昇時に賃金が下がる場合、年金額も下がることになってしまうのです。その場合、当然年金生活者にとっては生活が厳しくなることが想定され、この部分が「年金カット法案だ」と言われる理由なのですね。

一方、賃金の情勢はいわば年金制度の「財源(収入)」にあたるため、この部分を優先させることは、年金制度の継続性を重視した改正案だと見ることもできるのです。

 

 

*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。

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