■親権獲得を望む父親がしておくべきこと
親権者となるのが難しい父親ですが、実際に親権を得たケースではどんなものがあるでしょう?
「母親が子供を連れて家を出て行ったケースで、父親が親権を得たことがありますが、このケースでは、母親に健康面で不安があり、子供も度々父親の元に戻っていたという事情がありました。」(渡邊寛弁護士)
上記のケースは少々特殊な状況かもしれません。一般的に、親権獲得を望む父親は離婚にあたりどのような準備をしておけばよいでしょうか?
「父親に限りませんが、親権者となるには、子供を手元において、健全で安定した養育を継続して実績を伴わせることが大事です。仕事の安定も大事ですが、ご実家の協力を得るなどして環境を整える必要があります。」(渡邊寛弁護士)
親権者を決定する時、離婚の原因が夫婦のどちらにあったかは基本的には考慮されません。子供の年齢が低いほど、どれだけ子供の養育にとって望ましい環境を用意できるかが決め手になってきます。経済面だけでなく、生活面の安定を図ることが必要なのです。
*取材協力弁護士: 渡邊寛 (和田金法律事務所代表。2004年弁護士登録。東京築地を拠点に、M&A等の企業法務のほか、個人一般民事事件、刑事事件も扱う。)
*取材・文:フリーライター 岡本まーこ(大学卒業後、様々なアルバイトを経てフリーライターに。裁判傍聴にハマり裁判所に通っていた経験がある。「法廷ライターまーこと裁判所へ行こう!」(エンターブレイン)、「法廷ライターまーこは見た!漫画裁判傍聴記」(かもがわ出版)。
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*xiangtao / PIXTA(ピクスタ)
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