もしや夫が浮気かも…確実に「不倫を立証」するための3つの極意

「今夜は忘年会だから帰りは遅くなるね」…12月の週末ともなると、夫とのこんなやりとりが増えるかと思います。実は12月は探偵事務所や興信所で「浮気調査」が増える傾向にあるそうです。理由としては「忘年会で遅くなる」といったウソが成立しやすく、浮気相手との時間が作りやすい時期だからだそうです。

というわけで、今回は配偶者が浮気(不貞行為)をしていた場合に、それを立証するために必要な証拠の集め方について、3つの代表的な方法を解説したいと思います。

*画像はイメージです:http://www.shutterstock.com/

■配偶者の不貞行為が発覚した場合の基本的な流れ

まず、配偶者に不貞行為があった場合には、離婚事由(民法770条1項1号)となるほか、配偶者及び不貞相手に対して、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)をすることができます。

もっとも、不貞行為をした配偶者に対して離婚を申し立てたり、あるいは慰謝料を請求したりする場合、配偶者が自分の不貞行為を認めている場合でない限り、離婚を申し立てたり、慰謝料を請求する側が、相手に不貞行為があったことを証明する必要があります。

そして、当該証明をするためには客観的な証拠が必要となります。

相手に不貞行為があるといくら主張したとしても、それを裏付ける証拠がなければ裁判には勝つことができません。

以下、私のこれまでの裁判の経験を踏まえ、裁判において不貞行為を立証するためには、どのような証拠が必要となるのかについて説明をしたいと思います。

 

①配偶者と不貞相手との性交渉の様子を撮影、録画した写真、ビデオ

配偶者が不貞相手との性交渉の様子を自分の携帯電話等で写真を撮影したり、ビデオを録画したりしている場合、当該写真やビデオ映像は、不貞行為を立証する直接的な証拠となります。

そのような写真やビデオ映像があり、そこに映っている人物が配偶者であると特定さえできれば、それだけで不貞行為を立証することができるでしょう。

 

②配偶者と不貞相手とがホテルに入っていくときの様子を撮影した写真

配偶者と不貞相手が二人でホテルに入っていくときの様子を撮影した写真も、配偶者の不貞行為を立証するための重要な証拠となります。

なぜならば、大人の男女二人が、単にそこで休憩するためだけにホテルに行くことは通常考えられないためです。すなわち、男女二人がホテルに入った、という事実から、ホテル内で性交渉が行われたということが合理的に推認されるわけです。

問題は、そのような写真を入手する方法ですが、配偶者に気づかれずに、1日中配偶者のことを尾行し、不貞相手とホテルに入る瞬間を写真におさめることは、よほど時間と体力がある人でない限り、難しいでしょう。

そこで、探偵を雇って、配偶者を尾行してもらい、配偶者と不貞相手がホテルに入る瞬間の写真を撮ってもらう、という方法が考えられます。

もっとも、探偵を雇うためには相当な費用がかかりますので、たとえば、恋人同士がホテルに行きそうな時間帯(例:毎週金曜日の午後8時~午後10時まで)に絞って探偵に尾行してもらえば、通常よりも料金を低く抑えることができます。

 

③配偶者と不貞相手との間のメール

配偶者と不貞相手との間で、恋人同士がするような内容のメール「愛してるよ。」「今夜はどこで会う?」「次はいつ会える?」等のやり取りをしている場合には、当該メールも、不貞行為を推認する証拠となり得ます。

 

以上、不貞行為を立証するための代表的な証拠を3つあげました。

もし、配偶者に対して離婚や慰謝料の請求をすることを検討している方は、上記のような証拠をそろえることが重要となってくるでしょう。

 

 

*この記事は2014年4月に掲載されたものを再編集しています。

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

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理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

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